コンピュート・インスタンスのモニタリングの有効化

このトピックでは、コンピュート・インスタンスで、特にコンピュート・インスタンス・メトリックのモニタリングを有効にする方法について説明します。

コンピュート・インスタンス・メトリックは、インスタンスのアクティビティ・レベルおよびスループットに関するデータを提供します。これらのメトリックは、コンピュート・インスタンスで自動スケーリング、メトリック、アラーム、通知などの機能を使用するために必要です。コンピュート・インスタンスは、コンピュート・インスタンスのモニタリング・プラグインが有効化され、インスタンスで実行されている場合にのみ、これらのメトリックを出力します。

コンピュート・インスタンスのモニタリング・プラグインは、Oracle Cloud Agentソフトウェアによって管理されます

サポートされているイメージ

コンピュート・インスタンス・メトリックは、現在のプラットフォーム・イメージおよび現在のプラットフォーム・イメージに基づくカスタム・イメージでサポートされています。

古いプラットフォーム・イメージを使用している場合は、コンピュート・インスタンスのモニタリング・プラグインを使用する前に、Oracle Cloud Agentソフトウェアを手動でインストールする必要があります。2018年11月15日より後の日付のイメージを選択します(Ubuntuの場合は2019年2月28日よりも後であることが必要です)。

Oracle Cloud Agentソフトウェアをサポートする他のイメージでコンピュート・インスタンス・メトリックを正常に有効化できる場合がありますが、コンピュート・インスタンスのモニタリング・プラグインは他のオペレーティング・システムではテストされておらず、動作する保証はありません。

必要なIAMポリシー

Oracle Cloud Infrastructureを使用するには、管理者によってポリシーでセキュリティ・アクセス権が付与されている必要があります。このアクセス権は、コンソール、あるいはSDK、CLIまたはその他のツールを使用したREST APIのいずれを使用している場合でも必要です。権限がない、または認可されていないというメッセージが表示される場合は、管理者に連絡して、どのタイプのアクセス権があり、どのコンパートメントで作業するかを確認してください。

管理者向け: コンピュート・インスタンスの作成および更新に必要なIAMポリシーの詳細は、インスタンスの作成を参照してください。

開始する前に

  • サービス・ゲートウェイまたはパブリックIPアドレス: コンピュート・インスタンス・メトリックをモニタリング・サービスに送信するには、コンピュート・インスタンスにパブリックIPアドレスまたはサービス・ゲートウェイが必要です。

    インスタンスにパブリックIPアドレスがない場合は、仮想クラウド・ネットワーク(VCN)上にサービス・ゲートウェイを設定します。サービス・ゲートウェイを使用すると、インスタンスがモニタリング・サービスにコンピュート・インスタンス・メトリックを送信でき、トラフィックはインターネットを通過しません。次に示すのは、モニタリング・サービスにアクセスするためのサービス・ゲートウェイの設定に関する特別な注意事項です。

    • サービス・ゲートウェイを作成する場合は、「Oracle Services Networkのすべての<region>サービス」というサービス・ラベルを有効にします。これには、モニタリング・サービスが含まれています。
    • インスタンスが含まれるサブネットのルーティングを設定する場合は、「ターゲット・タイプ」「サービス・ゲートウェイ」「宛先サービス」「Oracle Services Networkのすべての <region>サービス」に設定して、ルート・ルールを設定します。

    詳細な手順は、Oracleサービスへのアクセス: サービス・ゲートウェイに関する項を参照してください。

  • Oracle Cloud Agent: Oracle Cloud Agentソフトウェアをインスタンスにインストールする必要があります。Oracle Cloud Agentは、デフォルトで現在のプラットフォーム・イメージにインストールされます。Oracle Cloud Agentを古いイメージに手動でインストールするステップは、Oracle Cloud Agentソフトウェアのインストールを参照してください。
  • コンピュート・インスタンスのモニタリング・プラグイン: インスタンスがコンピュート・インスタンス・メトリックを出力するには、コンピュート・インスタンスのモニタリング・プラグインがインスタンスで有効化され、実行されている必要があります。プラグインを有効化および実行する方法の詳細は、「Oracle Cloud Agent」を参照してください。

新しいコンピュート・インスタンスのモニタリングの有効化

コンピュート・インスタンス・メトリックを出力するように新しいコンピュート・インスタンスを構成するには、次のステップを使用します。

コンソールを使用したモニタリング対応インスタンスの作成

  1. 拡張オプションが表示されるまで、インスタンスを作成するステップに従います。前提条件の説明に従って、インスタンスにパブリックIPアドレスまたはサービス・ゲートウェイがあることを確認します。
  2. 「拡張オプションの表示」をクリックします。
  3. 「Oracle Cloudエージェント」タブで、「コンピュート・インスタンスのモニタリング」を選択します。

    ノート

    古いプラットフォーム・イメージまたは最近のプラットフォーム・イメージに基づいていないカスタム・イメージを使用している場合は、Oracle Cloud Agentソフトウェアを手動でインストールする必要があります。これを行うには、cloud-initスクリプトを指定します。詳細は、Oracle Cloud Agentソフトウェアのインストールを参照してください。イメージの日付を、サポートされているイメージにリストされている日付と比較します。
  4. 「作成」をクリックします。

    新しく作成されたモニタリング対応インスタンスは、コンピュート・インスタンス・メトリックをモニタリング・サービスに出力します。

APIを使用したモニタリング対応インスタンスの作成

LaunchInstance操作を使用します。次のパラメータを含めます:

{
  "agentConfig": {
    "isMonitoringDisabled": false,
    "areAllPluginsDisabled": false,
    "pluginsConfig": [
      {
        "name": "Compute Instance Monitoring",
        "desiredState": "ENABLED"
      }
    ]
  }
}

前提条件の説明に従って、インスタンスにパブリックIPアドレスまたはサービス・ゲートウェイがあることを確認します。

ノート

古いプラットフォーム・イメージまたは最近のプラットフォーム・イメージに基づいていないカスタム・イメージを使用している場合は、Oracle Cloud Agentソフトウェアを手動でインストールする必要があります。これを行うには、cloud-initスクリプトを指定します。詳細は、Oracle Cloud Agentソフトウェアのインストールを参照してください。イメージの日付を、サポートされているイメージにリストされている日付と比較します。

既存のコンピュート・インスタンスのモニタリングの有効化

コンピュート・インスタンス・メトリックを出力するように既存のコンピュート・インスタンスを構成するには、次のステップを使用します。
コンソールを使用して既存のコンピュート・インスタンスのモニタリングを有効にするには
  1. Oracle Cloud Agentソフトウェアがまだインストールされていない場合は、インストールします。
  2. コンピュート・インスタンスのモニタリング・プラグインを有効にします
  3. プラグインがインスタンスで実行されていることを確認します
  4. 前提条件の説明に従って、インスタンスにパブリックIPアドレスまたはサービス・ゲートウェイがあることを確認します。
  5. モニタリングが有効になっていることを確認するには:

    1. インスタンスのメトリック・ページに移動します:
      1. ナビゲーション・メニューを開き、「コンピュート」をクリックします。「コンピュート」で、「インスタンス」をクリックします。
      2. 関心のあるインスタンスをクリックします。
      3. 「リソース」で、「メトリック」をクリックします。
      4. 「メトリック・ネームスペース」リストで、「oci_computeagent」を選択します。
    2. データを含むメトリック・チャートが表示される場合、モニタリング・サービスはこのインスタンスからコンピュート・インスタンス・メトリックを受信しています。これらのメトリックの詳細は、コンピュート・インスタンス・メトリックを参照してください。

      モニタリングが有効になっていなくても、サポートされているイメージがインスタンスで使用されている場合は、モニタリングを有効化するボタンを使用できます。「モニタリングの有効化」をクリックします。

APIを使用して既存のコンピュート・インスタンスのモニタリングを有効にするには
  1. Oracle Cloud Agentソフトウェアがまだインストールされていない場合は、インストールします。
  2. UpdateInstance操作を使用します。次のパラメータを含めます:

    {
      "agentConfig": {
        "isMonitoringDisabled": false,
        "areAllPluginsDisabled": false,
        "pluginsConfig": [
          {
            "name": "Compute Instance Monitoring",
            "desiredState": "ENABLED"
          }
        ]
      }
    }
  3. 前提条件の説明に従って、インスタンスにパブリックIPアドレスまたはサービス・ゲートウェイがあることを確認します。

コンピュート・インスタンスのモニタリング・プラグインの管理

インスタンスがコンピュート・インスタンス・メトリックを出力するには、コンピュート・インスタンスのモニタリング・プラグインがインスタンスで有効になっており、プラグインが実行されている必要があります。

インスタンスがコンピュート・インスタンス・メトリックを一時的に出力しないようにする場合は、コンピュート・インスタンスのモニタリング・プラグインを無効にできます。コンピュート・インスタンスのモニタリング・プラグインを含め、インスタンスで実行されているすべてのプラグインを停止することもできます。

注意

プラグインが無効化または停止されている場合、モニタリングや自動スケーリングなど、プラグインに依存する機能は動作しません。

プラグインを有効化および実行する方法の詳細は、「Oracle Cloud Agent」を参照してください。

トラブルシューティング: モニタリングにメトリックが含まれるかどうかの確認

モニタリングがコンピュート・インスタンス・メトリックを受信しているかどうかを判断するには、インスタンス・メトリックを問い合せるか、インスタンス・プロパティを表示して、コンピュート・インスタンスのモニタリング・プラグインが有効で実行中であることを確認します。

コンソールの使用: インスタンス・メトリックを問い合せて、モニタリングがメトリックを受信しているかどうかを確認するには
  1. ナビゲーション・メニューを開き、「コンピュート」をクリックします。「コンピュート」で、「インスタンス」をクリックします。
  2. 関心のあるインスタンスをクリックします。
  3. 「リソース」で、「メトリック」をクリックします。
  4. 「メトリック・ネームスペース」リストで、「oci_computeagent」を選択します。

    データを含むメトリック・チャートが表示される場合、モニタリング・サービスはこのインスタンスからメトリックを受信しています。これらのメトリックの詳細は、コンピュート・インスタンス・メトリックを参照してください。

    モニタリングが有効でないこと、またはOracle Cloud Agentソフトウェアをインストールする必要があることを示すメッセージが表示された場合は、それらのタスクを完了します。

コンソールの使用: コンピュート・インスタンスのモニタリング・プラグインが有効で実行中であるかどうかを確認するには
  1. ナビゲーション・メニューを開き、「コンピュート」をクリックします。「コンピュート」で、「インスタンス」をクリックします。
  2. 関心のあるインスタンスをクリックします。
  3. 「Oracle Cloud Agent」タブをクリックします。
  4. コンピュート・インスタンスのモニタリング・プラグインが有効化され、すべてのプラグインが実行されていることを確認します。
APIの使用: インスタンス・メトリックを問い合せて、モニタリングがメトリックを受信しているかどうかを確認するには

SummarizeMetricsData API操作を使用します。メトリックが返された場合は、モニタリング・サービスがインスタンスからメトリックを受信していることを示します。

APIの使用: コンピュート・インスタンスのモニタリング・プラグインが有効で実行中であるかどうかを確認するには

GetInstance操作(複数インスタンスの場合はListInstances操作)を使用します。

レスポンスで、agentConfigオブジェクトが次の値を返す場合は、コンピュート・インスタンスのモニタリング・プラグインが有効化され、すべてのプラグインが実行されていることを示します。
{
  "agentConfig": {
    "isMonitoringDisabled": false,
    "areAllPluginsDisabled": false,
    "pluginsConfig": [
      {
        "name": "Compute Instance Monitoring",
        "desiredState": "ENABLED"
      }
    ]
  }
}
インスタンスのメトリックが表示されない

メトリック・チャートがまったく表示されない場合、インスタンスからメトリックが出力されていない可能性があります。次に示す考えられる原因と解決方法を参照してください。

考えられる原因 確認方法 解決策
コンピュート・インスタンスのモニタリング・プラグインがインスタンスで無効になっているか、プラグインが停止しています。 インスタンス・プロパティを確認します。 コンピュート・インスタンスのモニタリング・プラグインを有効にし、すべてのプラグインを起動します
VCNがインターネットを使用していないため、インスタンスがモニタリング・サービスにアクセスできません。 インスタンスのIPアドレスを確認します。パブリックでない場合は、サービス・ゲートウェイが必要です。 サービス・ゲートウェイを設定します
サポートされているイメージがインスタンスで使用されていません。 サポートされているイメージを確認します。 サポートされているイメージを使用してインスタンスを作成します。
古いイメージおよびカスタム・ イメージ: インスタンス上にOracle Cloud Agentソフトウェアが存在しません。 インスタンスに接続し、ソフトウェアを探します。 Oracle Cloud Agentソフトウェアをインストールします
Oracle Cloud Agentソフトウェアに問題があります。 (なし) Oracle Cloud Agentのトラブルシューティング・ステップに従います