独自のイメージの導入(BYOI)

独自のイメージの導入(BYOI)機能を使用すると、基礎となるハードウェアがサポートしているかぎり、オペレーティング・システムの独自のバージョンをクラウドに導入することができます。このサービスは実行するOSには依存しません。

BYOI機能は次のことを行います:

  • 仮想マシンのクラウド移行プロジェクトを有効にします。

  • 新旧の両方のオペレーティング・システムがサポートされます。
  • 実験がしやすくなります。
  • インフラストラクチャの柔軟性が高まります。
ノート

ライセンス要件

用意したOSイメージに基づいてインスタンスをアップロードして起動する際は、すべてのライセンス要件に準拠する必要があります。

独自のイメージの導入

すべてのリスト・アンド・シフト・クラウド移行プロジェクトで重要な部分は、オンプレミス仮想マシン(VM)のクラウドへの移行です。カスタム・イメージのインポート機能を使用してオンプレミスの仮想ルート・ボリュームをOracle Cloud Infrastructure (OCI)にインポートした後、それらのイメージを使用するコンピュート・インスタンスを作成できます。

WindowsおよびLinuxベースのカスタム・イメージをインポートし、それらを使用してOracle Cloud InfrastructureにVMを作成できます。ベア・メタル・インスタンスへの独自のイメージの導入は、サポートされていません。

独自のイメージのインポート方法を説明する手順は、次のとおりです。

制限事項および考慮事項

次の点に注意してください:

  • ライセンス要件: 用意したOSイメージに基づいてインスタンスをアップロードして起動する際は、すべてのライセンス要件に準拠する必要があります。
  • 最大イメージ・サイズは400GBです。
  • サービス制限およびコンパートメント割当ては、カスタム・イメージに適用されます。詳細は、サービス制限を参照してください。サービス制限の引上げをリクエストできます。

起動モード

インポートしたLinux VMは準仮想化モードまたはエミュレート・モードで起動できます。AMDおよびArmベースのシェイプ、Oracle Linux Cloud Developerイメージ、およびRed Hat Enterprise Linuxイメージでは、インポートしたイメージは準仮想化モードでのみサポートされます。

Windowsでインポートされたイメージは、準仮想化モードでのみサポートされます。

準仮想化モードで、エミュレート・モードよりも優れたパフォーマンスが提供されます。OSでサポートされている場合は、準仮想化モードを使用することをお薦めします。カーネル・バージョン3.4以降が実行されているLinuxベースのオペレーティング・システムでは、準仮想化ドライバがサポートされています。システムのカーネル・バージョンはunameコマンドを使用して確認できます。

unameコマンドを使用してカーネル・バージョンを確認するには

次のコマンドを実行します。

uname -a

出力は次の例のようになります:

Linux ip_bash 4.14.35-1818.2.1.el7uek.x86_64 #2 SMP Mon Aug 27 21:16:31 PDT 2018 x86_64 x86_64 x86_64 GNU/Linux

カーネル・バージョンは、出力文字列の最初の部分にある番号です。前に示す出力例では、バージョンは4.14.35です。

イメージで準仮想化ドライバがサポートされている場合は、既存のエミュレート・モード・インスタンスを準仮想化インスタンスに変換できます。変換が完了すると、イメージから作成されたインスタンスが準仮想化モードで起動されます。

エミュレート・モード・インスタンスを準仮想化インスタンスに変換するには
  1. インスタンスのカスタム・イメージを作成します。
  2. カスタム・イメージのイメージ機能を編集して、次の設定を使用します:

    • 「ファームウェア」および「優先ファームウェア」で、「BIOS」を選択します。
    • 次のフィールドで、「準仮想化」を選択します。

      • 起動モード
      • 優先起動モード
      • NICアタッチメント・タイプ
      • 優先ネットワーク・アタッチメント・タイプ
      • ブート・ボリューム・タイプ
      • 優先ブート・ボリューム・タイプ
      • ローカル・データ・ボリューム
      • 優先ローカル・データ・ボリューム・タイプ
      • リモート・データ・ボリューム
      • 優先リモート・データ・ボリューム・タイプ

Windowsイメージ

次のWindowsバージョンで、カスタム・イメージのインポートがサポートされています:

  • Windows Server 2012 Standard、Datacenter
  • Windows Server 2012 R2 Standard、Datacenter
  • Windows Server 2016 Standard、Datacenter
  • Windows Server 2019 Standard、Datacenter
  • Windows Server 2022 Standard、Datacenter

Windowsイメージをインポートするステップは、カスタムWindowsイメージのインポートを参照してください。

共有ホストでVMインスタンスを起動する場合、Windows Serverのライセンス持込み(BYOL)は許可されません。BYOLおよびWindowsイメージのライセンス要件の詳細は、Microsoft Windowsのライセンス・オプションおよびOracle Cloud InfrastructureのMicrosoftライセンスを参照してください。

Linuxイメージ

次の表のLinuxおよびUNIX系のオペレーティング・システムは、カスタム・イメージのインポートをサポートしています。

サポート詳細:

  • Oracle Cloud Infrastructureでは、次の表に記載されたオペレーティング・システムのテストを行っています。これらのイメージから起動し、このトピックのガイドラインに従って構築したインスタンスには、SSHを使用してアクセスできることを保証します。
  • Oracleの公式サポート・サービス(たとえば、Premier Support付きのOracle Linux)でカバーされているOSバージョン以外のバージョンでは、Oracle Cloud Infrastructureにより、SSHを介してインスタンスを起動してアクセスできるように制限された、商業上合理的なサポートが提供されます。
  • カスタムOSからのインスタンスの作成がOracle Cloud Infrastructureでサポートされていても、そのインスタンスがオペレーティング・システム・ベンダーでもサポートされているとはかぎりません。Oracle Cloud Infrastructure上でOracle Linuxを実行している顧客は、自動的にOracle Linux Premier Supportを利用できます。
LinuxまたはUNIX系のオペレーティング・システム サポートされているバージョン
CentOS 6.9 、7、Stream 8以上
Debian 5.0.10、6.0、7、8またはそれ以上
Flatcar Container Linux 2345.3.0以上
FreeBSD 8, 9, 10, 11, 12以上
openSUSE Leap 15.1
Oracle Linux 5.11、6.x、7.x、8.x、9.x
RHEL

Red Hat Certified Cloud and Service Provider (CCSP)プログラムを介したRed HatおよびOCIからのサポート: バージョンおよびシェイプについては、「Red Hat Ecosystem Catalog - Oracle Cloud Infrastructure」を参照してください

OCIからの限定サポート: 4.5、5.5、5.6、5.9、5.11、6.5、6.9、7またはそれ以上

SUSE 11、12.1、12.2またはそれ以上
Ubuntu 12.04、13.04またはそれ以上

Red Hat Enterprise Linux (RHEL)イメージの特定のバージョンは、Red Hat Certified Cloud and Service Provider (CCSP)プログラムを介してサポートされています。サポートされているRHELイメージを使用してインスタンスを作成する要件およびステップは、Red Hat Enterprise Linux (RHEL)イメージを参照してください。

他のLinuxディストリビューションも正常にインポートされる場合があります。

Linuxイメージをインポートするステップは、カスタムLinuxイメージのインポートを参照してください。

独自のハイパーバイザ・ゲストOSの導入

カーネルベースの仮想マシン(KVM)またはHyper-Vを使用して、独自のハイパーバイザ・ゲストOSを導入できます。

ノート

ベア・メタル・コンピュート・インスタンスへのESXiの独自のハイパーバイザ・デプロイメントの導入は、サポートされていません。ESXiは、Oracle Cloud VMwareソリューションのソフトウェア定義のデータ・センター(SDDC)をプロビジョニングすることによってのみサポートされます。詳細は、VMwareソリューションを参照してください。

独自のKVMの導入

ベア・メタル・インスタンスでKVMを使用して、独自のオペレーティング・システム・イメージまたはUbuntu 6.x、RHEL 3.x、CentOS 5.4などの古いオペレーティング・システムを導入できます。

独自のKVMを導入するには、まずマーケットプレイスのKVMイメージを使用してベア・メタル・インスタンスを作成を作成します。次に、オンプレミスのゲストOSをベア・メタル・インスタンスのKVMにコピーします。詳細は、Oracle Linux KVMを参照してください。

独自のHyper-Vの導入

ベア・メタル・インスタンスでHyper-Vを使用して、独自のオペレーティング・システム・イメージまたはWindows Server 2016などの古いオペレーティング・システムを導入できます。

独自のHyper-Vを導入するには、まずWindows Server Datacenterプラットフォーム・イメージを使用してベア・メタル・インスタンスを作成します。Oracle Cloud Infrastructureは、インスタンスが起動されるときにWindows Serverのライセンスを発行します。次に、オンプレミスのゲストOSをベア・メタル・インスタンスのHyper-Vにコピーします。Windows Server Datacenterには無制限の仮想マシンが含まれているため、追加ライセンスは必要ありません。

次の考慮事項に注意してください:

  • Oracle Cloud Infrastructureは、カスタム・イメージを使用してインスタンスが起動されるときにライセンスを発行します。Windows Serverの独自のライセンスを持ち込む(BYOL)場合、独自のライセンスでWindows Serverをアクティブ化する必要があります。ステップは、専用ホストでのライセンスのアクティブ化を参照してください。
  • 独自のISOイメージのインポートは、サポートされていません。

サポートされているHyper-Vゲストのリストは、次のリソースを参照してください:

Hyper-Vのデプロイの詳細は、Oracle Cloud InfrastructureへのHyper-Vのデプロイを参照してください。

NTPサービス

Oracle Cloud Infrastructureでは、完全に管理されたセキュアで可用性の高いNTPサービスが提供されます。これを使用すると、仮想クラウド・ネットワーク(VCN)内からコンピュートおよびデータベース・インスタンスの日時を設定できます。インスタンスがOracle Cloud Infrastructure NTPサービスを使用するように構成することをお薦めします。このサービスを使用するようにインスタンスを構成する方法の詳細は、インスタンスのOracle Cloud Infrastructure NTPサービスの構成を参照してください。