動的パフォーマンス・スケーリング

ブロック・ボリュームでは、自動チューニングにより、パフォーマンスが動的にスケーリングされます。この機能を使用すると、サービスがパフォーマンス・レベルを自動的に調整してパフォーマンスを最適化するよう、ボリュームを構成できます。

ボリュームで有効にできる自動チューニングによる動的パフォーマンス・スケーリングには、次の2つのタイプがあります:

  • パフォーマンス・ベースの自動チューニング: このオプションを有効にすると、ブロック・ボリュームでは、そのボリュームでモニターされたパフォーマンスに基づき、指定したレベルの中でボリュームのパフォーマンスが調整されます。

  • デタッチ済ボリューム自動チューニング: このオプションを有効にすると、ブロック・ボリュームでは、ボリュームとインスタンスがアタッチされているかデタッチされているかに基づいて、ボリュームのパフォーマンス・レベルが調整されます。

パフォーマンス・ベースの動的スケーリング

パフォーマンス・ベースの自動チューニング機能を使用すると、ブロック・ボリュームでは、ボリュームで実際にモニターされたパフォーマンスに基づき、指定したレベルの中でボリュームのパフォーマンスが調整されます。

自動チューニングによるパフォーマンス・ベースの動的スケーリングを有効にする場合は、デフォルトのパフォーマンス設定(VPU/GB)を指定します(これが、ボリュームがインスタンスにアタッチされる際に調整される一番低いパフォーマンス・レベルになります)。また、ボリュームが調整される一番高いパフォーマンス・レベル(VPU/GB)も指定します。ブロック・ボリュームでは、次のメトリックを使用してボリュームのパフォーマンスがモニターされます:

  • ボリューム・スロットル操作
  • ボリュームの保証VPU/GB
  • ボリュームの保証IOPS
  • ボリュームの保証スループット

これらのメトリックは、サービスがボリュームの負荷を判断する際や、パフォーマンス・レベルの調整が必要かどうかを判断する際に役立ちます。これらのメトリックの詳細は、「パフォーマンス・メトリック」および「ブロック・ボリューム・メトリック」を参照してください。

コンソールで「ブロック・ボリュームの詳細」または「ブート・ボリュームの詳細」ページを表示する場合、適用可能なフィールドは次のとおりです:

  • デフォルトのパフォーマンス: 「パフォーマンス・ベースの自動チューニング」が有効な場合、ボリュームがアタッチされる際は、これが、ブロック・ボリュームのパフォーマンスが調整される最も低いパフォーマンス・レベルになります。「パフォーマンス・ベースの自動チューニング」が無効な場合は、これがボリュームのパフォーマンス・レベルになります。「デタッチ済ボリューム自動チューニング」が有効な場合に、ボリュームがデタッチされると、ボリュームがインスタンスに再アタッチされる際、ボリュームはこのパフォーマンス・レベルに調整されます。

  • パフォーマンスの自動チューニング: これは、ボリュームの有効なパフォーマンスです。ボリュームで「パフォーマンス・ベースの自動チューニング」が無効になっている場合、これはボリュームのデフォルトのパフォーマンスと同じです。

  • パフォーマンス・ベースの自動チューニング: このフィールドは、ボリュームでパフォーマンス・ベースの自動チューニング機能が有効であるかどうかを示します。オフの場合、ボリュームの「パフォーマンスの自動チューニング」は常に、「デフォルトのパフォーマンス」に指定されているパフォーマンスと同じになります。

「パフォーマンス・ベースの自動チューニング」が有効な場合、ブロック・ボリュームでは、パフォーマンスが可能なかぎりデフォルトのレベルに調整されます。ボリュームの負荷が高まると、サービスでは必要に応じて、パフォーマンス・レベルを可能なかぎり高くします。

パフォーマンスを上げるための調整は、必要に応じて安定的にパフォーマンスを向上させるために、数十秒単位で繰り返され、短時間で効果が出ます。パフォーマンスを下げるための調整は、最初の調整が有効になるのが1時間以内で、その後の調整は数分というように、効果が出るのに時間がかかります。このため、パフォーマンスがまだ必要なときに、ボリューム・パフォーマンスが突然低下することはありません。

デタッチされたボリューム・パフォーマンスの自動チューニング

デタッチされたボリューム・パフォーマンスの自動チューニング機能により、ブロック・ボリュームでは、ボリュームのアタッチ状況に基づいて、ボリュームのパフォーマンス・レベルが最適に調整されます。

この機能が有効になっている場合、ボリュームがデタッチされると、ブロック・ボリューム・サービスにより、ブロック・ボリュームとブート・ボリュームの両方のパフォーマンス・レベルが、「より低いコスト」(0VPU/GB)に調整されます。ボリュームが再アタッチされると、パフォーマンスは、デフォルトのVPU/GB設定で指定されたパフォーマンス・レベルに戻ります。自動チューニングによるパフォーマンス・ベースの動的スケーリングも有効になっている場合は、それがこの時点で有効になり、ボリュームを使用するワークロードの必要に応じて、パフォーマンスがさらに動的にスケーリングされます。

コンソールで「ブロック・ボリュームの詳細」または「ブート・ボリュームの詳細」ページを表示する場合、適用可能なフィールドは次のとおりです:

  • デフォルトのパフォーマンス: 「パフォーマンス・ベースの自動チューニング」が無効な場合は、これがボリュームのパフォーマンス・レベル(ボリュームを作成したとき、または既存のボリュームのパフォーマンス設定を変更したときに指定したレベル)になります。ボリュームをアタッチする際は、「デタッチ済ボリューム自動チューニング」が有効かどうかに関係なく、これがボリュームのパフォーマンスになります。

  • パフォーマンスの自動チューニング: これは、ボリュームの有効なパフォーマンスです。ボリュームで「デタッチ済ボリューム自動チューニング」が有効になっている場合、ボリュームがデタッチされると、「パフォーマンスの自動チューニング」「より低いコスト」に調整されます。パフォーマンスの調整が完了するまで、「パフォーマンスの自動チューニング」のパフォーマンス設定は「より低いコスト」にならないことに注意してください。

  • デタッチ済ボリューム自動チューニング: このフィールドは、「デタッチ済ボリューム自動チューニング」がボリュームで有効になっているかどうかを示します。オフの場合、ボリュームの有効なパフォーマンスは常に、「デフォルトのパフォーマンス」に指定されているパフォーマンスと同じです。オンの場合、ボリュームのデタッチ時にボリュームのパフォーマンスが「より低いコスト」に調整されます。

これらの設定が有効になるタイミングの詳細は、タイミングの制限事項および考慮事項を参照してください。

タイミングの制限事項および考慮事項

次のリストに、デタッチされたボリュームの自動チューニング機能を使用する際に把握しておく必要があるタイミングに関する考慮事項を示します。

  • デタッチされたボリュームで「デタッチ済ボリューム自動チューニング」を有効にすると、ブロック・ボリューム・サービスでは、14日後に「より低いコスト」へのパフォーマンス調整が開始されます。

  • アタッチされているボリュームで「デタッチ済ボリューム自動チューニング」を有効にすると、ブロック・ボリューム・サービスでは、ボリュームがデタッチされた14日後に、「より低いコスト」へのパフォーマンス調整が開始されます。

  • ボリュームがデタッチされている際に「デタッチ済ボリューム自動チューニング」を無効にした場合、ブロック・ボリューム・サービスでは、「デフォルトのパフォーマンス」設定へのパフォーマンス調整がすぐに開始されます。

  • デタッチされたボリュームで「デタッチ済ボリューム自動チューニング」が有効な場合に、「デフォルトのパフォーマンス」を変更すると、そのボリュームが再アタッチされるまで、ボリュームの「パフォーマンスの自動チューニング」「より低いコスト」のままになります。

  • デタッチされたボリュームで「デタッチ済ボリューム自動チューニング」が有効な場合に、そのボリュームをクローニングすると、ブロック・ボリューム・サービスでは、14日後に「より低いコスト」へのパフォーマンス調整が開始されます。

  • 超高パフォーマンスで構成されたボリュームのパフォーマンスを最適化するには、ボリューム・アタッチメントがマルチパスに対応している必要があります。デタッチされたボリュームが「より低いコスト」に自動チューニングされたボリュームを再アタッチしても、そのボリュームが超高パフォーマンスで構成されている場合は、ボリュームの再アタッチ後に、アタッチメントがマルチパス対応になっていることを確認する必要があります。詳細は、次を参照してください:

必須IAMポリシー

Oracle Cloud Infrastructureを使用するには、管理者によってポリシーでセキュリティ・アクセス権が付与されている必要があります。このアクセス権は、コンソール、あるいはSDK、CLIまたはその他のツールを使用したREST APIのいずれを使用している場合でも必要です。権限がない、または認可されていないというメッセージが表示された場合は、自分がどのタイプのアクセス権を持っているか、およびどのコンパートメントで作業するかを管理者に確認してください。

管理者用: ボリューム管理者がブロック・ボリューム、バックアップおよびボリューム・グループを管理するのポリシーを使用すると、指定したグループはブロック・ボリュームおよびバックアップに関するすべての操作を実行できますが、インスタンスを起動することはできません。

ポリシーを初めて使用する場合は、ポリシーの開始共通ポリシーを参照してください。インスタンス、クラウド・ネットワークまたは他のCore Services APIリソースのポリシーの記述に関する参照資料については、Core Servicesの詳細を参照してください。

コンソールの使用

次の手順では、コンソールで自動チューニング機能を有効化する方法について説明します。

ブロック・ボリュームのパフォーマンス・ベースの自動チューニングを有効にするには
  1. ナビゲーション・メニューを開き、「ストレージ」をクリックします。「ブロック・ストレージ」で、「ブロック・ボリューム」をクリックします
  2. パフォーマンス・ベースの自動チューニングを有効にするブロック・ボリュームをクリックします。

  3. 「編集」をクリックします。
  4. 「ボリューム・サイズとパフォーマンス」セクションで、「パフォーマンス・ベースの自動チューニング」スライダをクリックして、「オフ」から「オン」に変更します。
  5. 「デフォルトVPU/GB」の値を指定します。これは、ボリュームが調整される一番低いパフォーマンス設定です。値は10の倍数にする必要があります。最小値は10で、最大値は110です。「VPU/GB」スライダで値を指定することもできます。
  6. 「最大VPU/GB」の値を指定します。これは、ボリュームが調整される一番高いパフォーマンス設定です。これは10の倍数で、「デフォルトVPU/GB」より10VPU/GB以上大きい値にする必要があります。最大値は120VPU/GBです。「VPU/GB」スライダで値を指定することもできます。
  7. 「変更の保存」をクリックします。

ブート・ボリュームのパフォーマンス・ベースの自動チューニングを有効にするには
  1. ナビゲーション・メニューを開き、「ストレージ」をクリックします。「Block Storage」で、「Block Volumes」をクリックしますサイドバーの「ブロック・ストレージ」メニューで、「ブート・ボリューム」をクリックします
  2. パフォーマンス・ベースの自動チューニングを有効にするブロック・ボリュームをクリックします。

  3. 「編集」をクリックします。
  4. 「ボリューム・サイズとパフォーマンス」セクションで、「パフォーマンス・ベースの自動チューニング」スライダをクリックして、「オフ」から「オン」に変更します。
  5. 「デフォルトVPU/GB」の値を指定します。これは、ボリュームが調整される一番低いパフォーマンス設定です。値は10の倍数にする必要があります。最小値は10で、最大値は110です。「VPU/GB」スライダで値を指定することもできます。
  6. 「最大VPU/GB」の値を指定します。これは、ボリュームが調整される一番高いパフォーマンス設定です。これは10の倍数で、「デフォルトVPU/GB」より10VPU/GB以上大きい値にする必要があります。最大値は120VPU/GBです。「VPU/GB」スライダで値を指定することもできます。
  7. 「変更の保存」をクリックします。

ブロック・ボリュームのデタッチされたボリュームの自動チューニングを有効にするには
  1. ナビゲーション・メニューを開き、「ストレージ」をクリックします。「ブロック・ストレージ」で、「ブロック・ボリューム」をクリックします
  2. デタッチされたボリュームの自動チューニングを有効にするブロック・ボリュームをクリックします。
  3. 「編集」をクリックします。
  4. 「ボリューム・サイズとパフォーマンス」セクションで、「デタッチ済ボリューム自動チューニング」スライダをクリックして、「オフ」から「オン」に変更します。
  5. 「変更の保存」をクリックします。
ブート・ボリュームのデタッチされたボリュームの自動チューニングを有効にするには
  1. ナビゲーション・メニューを開き、「ストレージ」をクリックします。「Block Storage」で、「Block Volumes」をクリックしますサイドバーの「ブロック・ストレージ」メニューで、「ブート・ボリューム」をクリックします
  2. デタッチされたボリュームの自動チューニングを有効にするブロック・ボリュームをクリックします
  3. 「編集」をクリックします。
  4. 「ボリューム・サイズとパフォーマンス」セクションで、「デタッチ済ボリューム自動チューニング」スライダをクリックして、「オフ」から「オン」に変更します。
  5. 「変更の保存」をクリックします。

CLIの使用

CLIの使用の詳細は、コマンド・ライン・インタフェース(CLI)を参照してください。

ブロック・ボリュームの操作

ブロック・ボリュームの自動チューニングを有効化するには、次の操作を実行します。

ブロック・ボリュームの作成時にパフォーマンス・ベースの自動チューニングを有効にするには

コマンド・プロンプトを開き、次を実行します:

oci bv volume create --compartment-id <compartment_ID> --autotune-policies <auto-tune_policies_JSON>' 

例:

oci bv volume create --compartment-id ocid1.compartment.oc1.phx.<unique_ID> --autotune-policies '[{"autotune-type": "PERFORMANCE_BASED", "maxVpusPerGB": 50}]''
既存のブロック・ボリュームのパフォーマンス・ベースの自動チューニングを有効にするには

コマンド・プロンプトを開き、次を実行します:

oci bv volume update --volume-id <volume_ID> --compartment-id <compartment_ID> --autotune-policies <auto-tune_policies_JSON>' 

例:

oci bv volume update --volume-id ocid1.volume.oc1.phx.<unique_ID> --compartment-id ocid1.compartment.oc1.phx.<unique_ID> --autotune-policies '[{"autotune-type": "PERFORMANCE_BASED", "maxVpusPerGB": 50}]''
ブロック・ボリュームの作成時にデタッチされたボリュームの自動チューニングを有効にするには

コマンド・プロンプトを開き、次を実行します:

oci bv volume create --compartment-id <compartment_ID> --autotune-policies <auto-tune_policies_JSON>' 

例:

oci bv volume create --compartment-id ocid1.compartment.oc1.phx.<unique_ID> --autotune-policies '[{"autotune-type": "DETACHED_VOLUME"}]''
既存のブロック・ボリュームのデタッチされたボリュームの自動チューニングを有効にするには

コマンド・プロンプトを開き、次を実行します:

oci bv volume update --volume-id <volume_ID> --compartment-id <compartment_ID> --autotune-policies <auto-tune_policies_JSON>' 

例:

oci bv volume update --volume-id ocid1.volume.oc1.phx.<unique_ID> --compartment-id ocid1.compartment.oc1.phx.<unique_ID> --autotune-policies '[{"autotune-type": "DETACHED_VOLUME"}]''

ブート・ボリュームの操作

ブート・ボリュームで自動チューニングを有効化するには、次の操作を実行します。

既存のブート・ボリュームのパフォーマンス・ベースの自動チューニングを有効にするには

コマンド・プロンプトを開き、次を実行します:

oci bv boot-volume update --volume-id <volume_ID> --compartment-id <compartment_ID> --autotune-policies <auto-tune_policies_JSON>' 

例:

oci bv boot-volume update --volume-id ocid1.volume.oc1.phx.<unique_ID> --compartment-id ocid1.compartment.oc1.phx.<unique_ID> --autotune-policies '[{"autotune-type": "PERFORMANCE_BASED", "maxVpusPerGB": 50}]''
既存のブート・ボリュームのデタッチされたボリュームの自動チューニングを有効にするには

コマンド・プロンプトを開き、次を実行します:

oci bv boot-volume update --volume-id <volume_ID> --compartment-id <compartment_ID> --autotune-policies <auto-tune_policies_JSON>' 

例:

oci bv boot-volume update --volume-id ocid1.volume.oc1.phx.<unique_ID> --compartment-id ocid1.compartment.oc1.phx.<unique_ID> --autotune-policies '[{"autotune-type": "DETACHED_VOLUME"}]''

APIの使用

APIの使用およびリクエストの署名の詳細は、REST APIのドキュメントおよびセキュリティ資格証明を参照してください。SDKの詳細は、SDKおよびCLIを参照してください。

API操作の適用可能なボリューム詳細のautotunePolicies属性にAutotunePolicy値を指定して、ボリュームの自動チューニングを有効にします。

パフォーマンス・ベースの自動チューニングの場合は、autotuneTypeにPERFORMANCE_BASEDを指定します。このタイプを指定する場合、ボリュームを調整する最大VPUをmaxVpusPerGB属性で指定する必要もあります。「PerformanceBasedAutotunePolicy」を参照してください。

デタッチされたボリュームの自動チューニングの場合は、autotuneTypeDETACHED_VOLUMEを指定します。「DetachedVolumeAutotunePolicy」を参照してください。

ブロック・ボリューム

新しいブロック・ボリュームの自動チューニングを有効にするには、CreateVolumeを使用して、CreateVolumeDetailsautotunePolicies属性で有効化する自動チューニング機能を指定します。

既存のブロック・ボリュームの自動チューニングを有効にするには、UpdateVolumeを使用して、UpdateVolumeDetailsautotunePolicies属性で有効化する自動チューニング機能を指定します。

ブート・ボリューム

ブート・ボリュームのパフォーマンスの自動チューニング機能を有効化または無効化するには、UpdateBootVolume操作を使用して、UpdateBootVolumeDetailsautotunePolicies属性で有効化する自動チューニング機能を指定します。