ロギングの概要
Oracle Cloud Infrastructure Loggingサービスは、テナンシ内のすべてのログに対応した、スケーラビリティの高いフルマネージド型の一元管理ペインです。ロギングにより、Oracle Cloud Infrastructureリソースからログにアクセスできます。これらのログには、リソースのパフォーマンスおよびアクセス方法を説明するクリティカルな診断情報が含まれます。
ロギングの仕組み
ロギングを使用して、ログを有効化、管理および検索します。次の3種類のログがあります:
- 監査ログ: Oracle Cloud Infrastructure Auditサービスによって発行されたイベントに関連するログ。これらのログは、ロギングの「監査」ページから取得するか、残りのログとともに「検索」ページで検索できます。
- サービス・ログ: OCIネイティブ・サービス(APIゲートウェイ、イベント、ファンクション、ロード・バランサ、オブジェクト・ストレージ、VCNフロー・ログなど)によって発行されます。サポートされているこれらの各サービスには、それぞれのリソースで有効化または無効化できる事前定義済のロギング・カテゴリがあります。
- カスタム・ログ: カスタム・アプリケーション、他のクラウド・プロバイダまたはオンプレミス環境からの診断情報を含むログ。カスタム・ログは、APIを介して、または統合モニタリング・エージェントを構成することで収集できます。OCIコンピュート・インスタンス/リソースを構成して、統合モニタリング・エージェントを介して直接カスタム・ログをアップロードできます。カスタム・ログは、仮想マシンとベア・メタルの両方のシナリオでサポートされます。
ログは、特定のコンテキストで収集されたログ・イベントを格納および取得する最重要のOracle Cloud Infrastructureリソースです。たとえば、サブネット上でフロー・ログを有効にした場合、専用のログが割り当てられます。各ログはOCIDを持ち、ログ・グループに格納されます。ログ・グループは、コンパートメントに格納されたログのコレクションです。ログおよびログ・グループは、検索可能、アクション可能およびトランスポート可能です。
開始するには、リソースのログを有効にします。サービスには、リソースで使用できる様々なタイプのログに対応したログ・カテゴリがあります。たとえば、オブジェクト・ストレージ・サービスでは、ストレージ・バケットに対して次のログ・カテゴリがサポートされます: 読取りおよび書込みアクセス・イベント。読取りアクセス・イベントはダウンロード・イベントを取得し、書込みアクセス・イベントは書込みイベントを取得します。各サービスは、リソースに対して異なるログ・カテゴリを持つことができます。あるサービスのログ・カテゴリと別のサービスのログ・カテゴリの間には何の関係もありません。その結果、ファンクション・サービスは、オブジェクト・ストレージ・サービスとは異なるログ・カテゴリを使用します。
ログを有効にする場合は、作成したログ・グループにそれを追加する必要があります。ログ・グループは、ログの論理コンテナです。ログ・グループを使用して、IAMポリシーを適用したり分析用にログをグループ化したりすることで、ログを編成してその管理を効率化します。詳細は、ログおよびログ・グループを参照してください。
ログはシステムで索引付けされ、コンソール、APIおよびCLIを使用して検索できます。ログは、ロギングの「検索」ページで表示および検索できます。ログを検索する場合、多数のログを同時に関連付けることができます。たとえば、複数のログ、複数のログ・グループまたはコンパートメント全体からの結果を1つの問合せで表示できます。ログをフィルタ、集計およびビジュアル化できます。詳細は、ロギング検索を参照してください。
UTF-8テキスト・エンコーディングのみがサポートされています。
ログを有効にすると、ログ・エントリがログの詳細ページに表示されます(詳細は、リソースのロギングの有効化を参照してください)。
コネクタ・ハブの統合 🔗
Oracle Cloud Infrastructure Loggingは、コネクタ・ハブと統合されます。より多くのアーカイブ・サポートが必要な場合は、Connector Hubを使用して、オブジェクト・ストレージへのアーカイブ、ストリームへの書込みなどを行うことができます。詳細は、コネクタおよびシナリオ: オブジェクト・ストレージへのログのアーカイブを参照してください。
ロギング・ワークショップ 🔗
環境の設定、サービス・ログの有効化、カスタム・アプリケーション・ログの作成、ログの検索およびオブジェクト・ストレージへのログ・コンテンツのエクスポートに関する詳細なラボベースの手順は、OCIロギング・ワークショップを参照してください。
ロギングAPI 🔗
Oracle Cloud Infrastructure Loggingでは、次のAPIを使用できます:
また、各APIに固有のロギング操作の詳細は、ログ管理、カスタム・ログの(ロギング収集) APIの使用および(ロギング検索APIの使用のAPIのトピックも参照してください。
ロギングの概念 🔗
ロギングの作業には、次の概念が非常に重要です。
- サービス・ログ
- サポートされるOracle Cloud Infrastructureサービスからのクリティカルな診断情報。サポートされるサービスを参照してください。
- カスタム・ログ
- カスタム・アプリケーション、他のクラウド・プロバイダまたはオンプレミス環境からの診断情報。カスタム・ログを収集するには、APIを直接コールするか、統合モニタリング・エージェントを構成します。
- 監査ログ
- 監査サービスからの読取り専用ログで、分析および検索用に提供されます。監査ログは、テナンシ全体でパブリック・エンドポイントに対して行われたAPIコールに関する情報を取得します。これには、コンソール、コマンドライン・インタフェース(CLI)、ソフトウェア開発キット(SDK)、独自のカスタム・クライアントまたは他のOracle Cloud Infrastructureサービスによって行われるAPIコールが含まれます。
- ログ・グループ
- ログ・グループは、ログの論理コンテナです。ログ・グループを使用して、IAMポリシーの適用やログ・セットの検索など、ログ管理を効率化します。ログ・グループはコンパートメント間で移動でき、ログ・グループに含まれているすべてのログもそれとともに移動します。
- サービス・ログ・カテゴリ
- サービスには、リソースで使用できる様々なタイプのログに対応したログ・カテゴリがあります。たとえば、オブジェクト・ストレージ・サービスでは、ストレージ・バケットに対して次のログ・カテゴリがサポートされます: 読取りおよび書込みアクセス・イベント。読取りアクセス・イベントはダウンロード・イベントを取得し、書込みアクセス・イベントは書込みイベントを取得します。各サービスは、リソースに対して異なるログ・カテゴリを持つことができます。あるサービスのログ・カテゴリと別のサービスのログ・カテゴリの間には何の関係もありません。
- コネクタ・ハブ
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コネクタ・ハブ: ロギング・データをOracle Cloud Infrastructureの他のサービスに移動します。たとえば、コネクタ・ハブを使用して、ログ・データのアラーム、データベースへのログ・データの送信およびオブジェクト・ストレージへのログ・データのアーカイブを行います。詳細は、コネクタ・ハブを参照してください。
- 統合モニタリング・エージェント
- 顧客のマシン(OCIインスタンス)上で実行されるfluentdベースのエージェントで、カスタム・ログの収集に役立ちます。
- エージェント構成
- カスタム・ログの収集方法を指定する統合モニタリング・エージェントの構成。
ログの暗号化 🔗
- ログは、処理中に(つまり、Oracle Cloud Infrastructure Loggingへの収集の進行中に)暗号化されます。
- ログは、システム内に配置された後、商用環境用のディスクレベル暗号化で暗号化されます。
- ログは、アーカイブ時およびストレージ内でも暗号化されます。
リソース識別子 🔗
ほとんどのタイプのOracle Cloud Infrastructureリソースには、Oracle Cloud ID (OCID)と呼ばれる、Oracleによって割り当てられた一意の識別子があります。OCIDのフォーマットおよびその他のリソース識別方法の詳細は、リソース識別子を参照してください。
Oracle Cloud Infrastructureへのアクセス方法 🔗
Oracle Cloud Infrastructure (OCI)には、コンソール(ブラウザベースのインタフェース)、REST APIまたはOCI CLIを使用してアクセスできます。 コンソール、APIおよびCLIの使用手順は、このドキュメント全体のトピックを参照してください。使用可能なSDKのリストは、ソフトウェア開発キットおよびコマンドライン・インタフェースを参照してください。
コンソールにアクセスするには、サポートされているブラウザを使用する必要があります。コンソールのサインイン・ページに移動するには、このページの上部にあるナビゲーション・メニューを開き、「インフラストラクチャ・コンソール」を選択します。クラウド・テナント、ユーザー名およびパスワードの入力を求められます。
認証と認可 🔗
Oracle Cloud Infrastructureの各サービスは、すべてのインタフェース(コンソール、SDKまたはCLI、およびREST API)で、認証および認可のためにIAMと統合されます。
組織の管理者は、グループ、コンパートメントおよびポリシーを設定して、どのユーザーがどのサービスおよびリソースにアクセスできるかと、そのアクセスのタイプを制御する必要があります。たとえば、ポリシーは、新規ユーザーの作成、クラウド・ネットワークの作成と管理、インスタンスの作成、バケットの作成、オブジェクトのダウンロードなどを実行できるユーザーを制御します。詳細は、アイデンティティ・ドメインの管理を参照してください。異なる各サービスのポリシー記述の詳細は、ポリシー・リファレンスを参照してください。
管理者以外の通常のユーザーが会社所有のOracle Cloud Infrastructureリソースを使用する必要がある場合は、管理者に連絡してください。管理者は、ユーザーが使用できるコンパートメントを確認できます。
管理者の場合: 次のトピックを使用して、ロギングのIAMポリシーの例を参照してください: