ネットワーク・パフォーマンス

次の各項の内容は、Oracle PaaS and IaaS Public Cloud Servicesピラー・ドキュメントのカテゴリ7および3.c項に適用されます。PDFは、Oracle Cloud Infrastructureの「サービス・レベル合意」ページからダウンロードできます。

Oracle Cloud Infrastructureでは、仮想クラウド・ネットワーク(VCN)の同じ可用性ドメインにあるインスタンス間でのネットワーク・スループットについて、サービス・レベル合意(SLA)を提供します。これは、LANパフォーマンスの測定と考えることができます。
重要

このSLAはベア・メタル・インスタンスにのみ適用されます。

VCNが帯域幅SLAを満たしていない場合は、インスタンスのCPUに他のサービスやアプリケーションで大きな負荷がかかっていないことを確認します。topなどのユーティリティを使用して平均CPU使用率を調べ、これを確認します。1未満である必要があります。

SLAを満たすには、同じ可用性ドメインおよびVCN内のインスタンスのネットワーク・スループットが、請求月の99.9%以上について、規定された最大値の90%以上である必要があります。ネットワーク・スループットは、1秒当たりのメガビット数(Mbps)、または1秒当たりのギガビット数(Gbps)で測定されます。

リージョン間の平均ネットワーク・ラウンドトリップ・レイテンシの詳細は、リージョン間のレイテンシを参照してください。

テスト方法

同じ可用性ドメインおよびVCN内の2つのベア・メタル・インスタンスを起動します。iperf3ユーティリティをインストールし、一方のインスタンスをサーバー、もう一方のインスタンスをクライアントとして実行します。VCNのネットワーク・スループットを確認するには、iperf3の帯域幅の結果を参照してください。

  1. 単一のVCNで、同じ可用性ドメインの2つのベア・メタル・インスタンスを起動します。一方をサーバーとして、もう一方をクライアントとして指定します。起動手順は、インスタンスの作成を参照してください。
  2. 両方のインスタンスにiperf3をインストールします。Linuxコマンドの例:

    sudo yum install -y iperf3
  3. TCPポート5201でサーバー・インスタンスへの通信を有効にします(iperf3用):
    1. サーバー・インスタンスが存在するサブネットで、ソースIPアドレス(0.0.0.0/0)および任意のソース・ポートからのTCPポート5201に対するステートレス・イングレス・トラフィックを許可するように、サブネットのセキュリティ・リストにルールを追加します。手順については、セキュリティ・リストでのルールの更新を参照してください。かわりに、インスタンスとともにネットワーク・セキュリティ・グループ(NSG)を使用する場合は、インスタンスのNSGにルールを追加します。
    2. インスタンス自体で、ファイアウォールを開いてiperf3トラフィックを許可します。Linuxコマンドの例:

      注意

      iSCSIブート・ボリュームを持つインスタンスについては、次の--reloadコマンドを実行すると問題が発生することがあります。詳細および回避策については、firewall-cmd --reloadの実行後にインスタンスでシステム・ハングが発生しますを参照してください。
      sudo firewall-cmd --zone=public --permanent --add-port 5201/tcp
      
      sudo firewall-cmd --reload
  4. iperf3テストを開始します:
    1. サーバー・インスタンスで、サーバー・モードでiperf3を実行します。Linuxコマンドの例:

      iperf3 -s
    2. クライアント・インスタンスで、クライアント・モードでiperf3を実行し、サーバー・インスタンスのプライベートIPアドレスを指定します。Linuxコマンドの例:

      iperf3 -c <server_instance_private_ip_address>
  5. クライアント・インスタンスでiperf3の結果を確認します。2つのインスタンス間のネットワーク・スループットは、クライアントのiperf3テスト出力の最後の5行にある「Bandwidth」に表示されます。例:

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
    [ ID] Interval         Transfer      Bandwidth        Retr
    [  4] 0.00-10.00  sec  XX.YY GBytes  NN.NN Gbits/sec  752             sender
    [  4] 0.00-10.00  sec  XX.YY GBytes  NN.NN Gbits/sec                  receiver
    
    iperf Done.
    

自動テスト

perf-check.zipに含まれるスクリプトは、前の項で使用されたコマンドを自動化します。スクリプトを使用するには:

  1. セキュリティ・ルールおよびルート表を確認し、必要に応じて変更を加え、TCP/UDPポート5201がオープンしていることを確認します。
  2. スクリプトperf-check.pyperf-check.zipファイルから抽出します。
  3. 次のように入力して、サーバー・エンドポイントでスクリプトのコピーを開始します:

    ./perf-check.py server

  4. 次のように入力して、クライアント・エンドポイントでスクリプトのコピーを開始します:

    ./perf-check.py client <server address>

このスクリプトは両方のエンドポイントにアーカイブを生成します(デフォルト名: perf-results-client.tar.gzおよびperf-results-server.tar.gz)。これらのアーカイブは、詳細な分析のためにOracleサポートに提供する必要があります。

重要

前述のiperfの手順を使用して、同じ可用性ドメインに存在しないホスト間、またはVCN内のホストとオンプレミス・ネットワーク内のホストの間でパフォーマンスをテストできます。この命令は、任意の2つのエンドポイント間でパフォーマンスをテストするために使用できます。正確な結果を得るには、可用性ドメイン外でデータを転送するときに、クライアント接続コマンドの最後に--parallel 5を追加する必要があります。