マウント・ターゲットの管理

ファイル・ストレージ・マウント・ターゲットの管理の基本について学習します。

概要

マウント・ターゲットは、選択したVCNサブネットにあるNFSエンドポイントで、ファイル・システムへのネットワーク・アクセスを提供します。マウント・ターゲットは、ファイル・システムをマウントするために一意のエクスポート・パスとともに使用されるIPアドレスまたはDNS名を提供します。コンソールを使用して最初のファイル・システムを作成すると、ワークフローによってマウント・ターゲットおよびそのエクスポートも作成されます。

同じマウント・ターゲットを再利用して、ネットワークで使用可能なファイル・システムを必要な数だけ作成できます。複数のファイル・システムに同じマウント・ターゲットを再利用するには、各ファイル・システムに対するエクスポートをマウント・ターゲット内に作成します。

次のマウント・ターゲット管理タスクを実行できます:

エクスポート

NFSクライアントがマウント・ターゲットに接続するときにファイル・システムにアクセスする方法は、エクスポートによって制御されます。ファイル・システムは、マウント・ターゲットを介してエクスポートされます(使用可能になります)。各マウント・ターゲットには、1つ以上のエクスポートを含むエクスポート・セットが保持されます。ファイル・システムは、1つ以上のマウント・ターゲットを通じてエクスポートできます。インスタンスがファイル・システムをマウントするために、ファイル・システムには1つのマウント・ターゲットに1つ以上のエクスポートが必要です。エクスポートで使用される情報には、ファイル・システムOCID、マウント・ターゲットOCID、エクスポート・セットOCID、エクスポート・パスおよびクライアント・エクスポート・オプションがあります。コンソールを使用して最初のファイル・システムを作成すると、ワークフローによってマウント・ターゲットおよびそのエクスポートも作成されます。その後:

  • 異なるファイル・システムに対するエクスポートをマウント・ターゲット内に必要な数だけ作成できます。
  • 1つのファイル・システムに対するエクスポートをマウント・ターゲット内に必要な数だけ作成できます。
  • マウント・ターゲット内のエクスポートは、必要な回数だけ削除および再作成できます。
  • エクスポート・オプションを追加して、ファイル・システムへのアクセスを制御できます。

NFSエクスポート・オプション

NFSエクスポート・オプションとは、NFSクライアントがマウント・ターゲットに接続するときに付与されるアクセス権のレベルを指定する、エクスポート内の一連のパラメータです。エクスポート内のNFSエクスポート・オプション・エントリでは、単一のIPアドレスまたはCIDRブロック範囲に対するアクセス権を定義します。各エクスポート当たり最大100のオプションを設定できます。

詳細は、NFSエクスポートおよびエクスポート・オプションの作業を参照してください。

マウント・ターゲットの詳細

マウント・ターゲットの詳細ページには、マウント・ターゲットに関する次の情報が表示されます:

マウント・ターゲットのOCID
すべてのOracle Cloud Infrastructureリソースには、Oracle Cloud Identifier (OCID)と呼ばれるOracle割当ての一意のIDがあります。コマンドライン・インタフェース(CLI)またはAPIを使用するには、マウント・ターゲットのOCIDが必要です。サポートに連絡する際、OCIDも必要です。
作成日
マウント・ターゲットが作成された日時。
可用性ドメイン
マウント・ターゲットの作成時に、マウント・ターゲットが存在する可用性ドメインを指定します。可用性ドメインとは、1つのリージョン内に存在する1つ以上のデータ・センターです。コマンドライン・インタフェース(CLI)またはAPIを使用するには、マウント・ターゲットの可用性ドメインが必要です。詳細は、リージョンと可用性ドメインを参照してください。
コンパートメント
マウント・ターゲットの作成時に、マウント・ターゲットが存在するコンパートメントを指定します。コンパートメントは、組織の管理者によって権限が付与されたグループのみがアクセスできる関連リソース(クラウド・ネットワーク、コンピュート・インスタンス、ファイル・システムなど)のコレクションです。コマンドライン・インタフェース(CLI)またはAPIを使用するには、マウント・ターゲットのコンパートメントが必要です。詳細は、コンパートメントの管理を参照してください。
レポートされたサイズ(GiB)
このマウント・ターゲットを介してエクスポートされたファイル・システムによってレポートされた最大容量(ギビバイト)。ファイル・ストレージ・サービスでは、現在、使用可能な容量の8589934592ギビバイト(GiB)がデフォルトでレポートされます。特定のレポートされるサイズを必要とするアプリケーションをインストールする場合、レポートされるサイズを変更できます。通常、ほとんどのアプリケーションでは、サイズを1024GiBに設定すれば十分です。この値は毎時更新されます。詳細は、ファイル・システムのレポートされたサイズの設定を参照してください。
レポートされたInode (GiI)
このマウント・ターゲットを介してエクスポートされたファイル・システムによってレポートされた最大容量(ギビバイト)。ファイル・ストレージ・サービスでは、現在、使用可能なinodeのギビinode (GiI)がデフォルトでレポートされます。特定のレポートされるinodeを必要とするアプリケーションをインストールする場合、レポートされるinodeを変更できます。通常、ほとんどのアプリケーションでは、inodeを1024GiIに設定すれば十分です。この値は毎時更新されます。詳細は、ファイル・システムのレポートされたサイズの設定を参照してください。
ネットワーク・セキュリティ・グループ
マウント・ターゲットが属するネットワーク・セキュリティ・グループ。各マウント・ターゲットは、最大5つのNSGに属することができます。詳細は、ネットワーク・セキュリティ・グループへのマウント・ターゲットの追加を参照してください。
仮想クラウド・ネットワーク
マウント・ターゲットのVNICが存在するサブネットを含むVCN。
サブネット
マウント・ターゲットのVNICが存在するVCN内のサブネット。サブネットは、AD固有またはリージョナル(リージョナル・サブネットは名前の後に"regional"が付きます)のいずれかです。詳細は、VCNとサブネットを参照してください。
IPアドレス
マウント・ターゲットの作成時に割り当てられたIPアドレス。関連付けられたファイル・システムをマウントするには、マウント・ターゲットのIPアドレスが必要です。
ホスト名
マウント・ターゲットに割り当てられたホスト名(ある場合)。ホスト名の詳細は、仮想クラウド・ネットワークのDNSを参照してください。
完全修飾ドメイン名
ホスト名は、サブネット・ドメイン名とともに指定します。詳細は、仮想クラウド・ネットワークのDNSを参照してください。ホスト名を指定すると、FQDNを使用してファイル・システムをマウントできます。
エクスポート・セットOCID
マウント・ターゲットのエクスポート・セット・リソースのOCID。各マウント・ターゲットには1つのエクスポート・セットがあり、これにはマウント・ターゲットのすべてのエクスポートが含まれます。コマンドライン・インタフェース(CLI)またはAPIでエクスポート関連のタスクを実行する場合は、マウント・ターゲットのエクスポート・セットのOCIDが必要です。
エクスポート
ここには、マウント・ターゲットのすべてのエクスポートがリストされます。各ファイル・システムのエクスポート・パスと名前もリストされます。ファイル・システムをマウントするにはエクスポート・パスが必要です。

「NFS」タブ

マウント・ターゲットの詳細ページの「NFS」タブには、マウント・ターゲットに関する情報が表示されます:

KERBEROS有効
マウント・ターゲットがKerberosを使用するように構成されているかどうか。
KERBEROSレルム
このマウント・ターゲットが参加したKerberosレルム。
KEYTAB秘密OCID
マウント・ターゲットで使用されるKeytabシークレット。
現在のKEYTABシークレットのバージョン
マウント・ターゲットで使用されるKeytabシークレットのバージョン。
バックアップKEYTABシークレットのバージョン
バックアップKeytabシークレットのバージョン。
LDAP有効
マウント・ターゲットでセカンダリ・グループ参照にLDAPサーバーを使用するかどうか。ファイル・システムのエクスポートでは、IDマッピングも有効にする必要があります。
スキーマ・タイプ
LDAPアカウントのスキーマ・タイプ。
キャッシュのリフレッシュ間隔(秒)
マウント・ターゲットが更新のためにLDAPサーバーに接続する必要がある頻度。
キャッシュ存続時間(秒)
キャッシュされたエントリを使用できる時間。
負のキャッシュ存続時間(秒)
IDマッピング情報がない場合にキャッシュする時間。
ユーザーの検索ベース
すべてのLDAP検索は、このユーザーから開始して再帰的です。
グループの検索ベース
すべてのLDAP検索は、このグループから開始して再帰的です。
アウトバウンド・コネクタ1 OCID
LDAPサーバーとの通信に使用する最初のコネクタ。
アウトバウンド・コネクタ2 OCID
LDAPサーバーとの通信に使用する2番目のコネクタ。

制限事項および考慮事項

  • デフォルトでは、各可用性ドメインは2つのマウント・ターゲットに制限されています。

    適用可能な制限の一覧と制限の引上げをリクエストする手順は、サービス制限を参照してください。

  • 各マウント・ターゲットは、最大100,000のNFSクライアント接続を受け入れることができます。転送中暗号化を使用する場合、各マウント・ターゲットは最大64のNFS/SSLクライアント接続を受け入れることができます。詳細は、転送中TLS暗号化の使用を参照してください。
  • 1つのリージョンの各テナンシで一度に実行できるのは1つのCreateMountTargetまたはChangeMountTargetCompartment操作です。詳細は、ファイル・システムまたはマウント・ターゲットの作成または移動時に409エラーが発生を参照してください。
  • 作成中に各マウント・ターゲットに3つのIPアドレスが必要です。1つのIPアドレスは顧客用で、2つのIPアドレスは内部使用およびフェイルオーバー時の使用のために予約されています。

    注意

    使用可能なIPアドレスが十分でないため、マウント・ターゲットの作成には/30以下のサブネットを使用しないでください。

必要なIAMポリシー

Oracle Cloud Infrastructureを使用するには、管理者によってポリシーでセキュリティ・アクセス権が付与されている必要があります。このアクセス権は、コンソール、あるいはSDK、CLIまたはその他のツールを使用したREST APIのいずれを使用している場合でも必要です。権限を持っていない、または認可されていないというメッセージが表示された場合は、持っているアクセス権のタイプと作業しているコンパートメントを管理者に確認してください。

管理者の場合: ユーザーによるファイル・システムの作成、管理および削除のポリシーにより、ユーザーはマウント・ターゲットを管理できます。マウント・ターゲットはネットワーク・エンドポイントであるため、マウント・ターゲットを作成または削除する際に、ユーザーにはVNIC、プライベートIP、プライベートDNSゾーンおよびサブネットに対する「使用」権限も必要です。詳細は、ポリシー・リファレンスを参照してください。

ポリシーを初めて使用する場合は、ポリシーの開始共通ポリシーを参照してください。